Pullman

Pullmanとは寝台列車の意味らしい。メンバーはChris Brokaw, Bundy K. Brown, Curtis Harvey, Doug McCombs。2枚目のViewFinderにはTim Barnesという人がドラムスとして加わっている。Bundy K. Brownは以前、「歌のない音楽」コーナーで紹介したTortoiseのかつてのメンバーであり、シカゴの音楽シーンを語る上では外せない人物。またDoug McCombsはやはり同コーナーで紹介したBrokebackというバンドをやっている。
Chris, Bundy, Curtisの3人が基本的にナイロンガットのアコースティック・ギターをフィンガー・ピッキングでボロボロ奏でる。Doug McCombsはベース担当。前述の通り2枚目にはTim Barnesがドラムスとして加わっている。要するにアコースティックな音で、アメリカのルーツ音楽を演奏しているわけだ。
いわゆる、アンプラグドなんていうコンセプトとはちょっと違う。あれは「たまにはアコースティックもいいじゃん」みたいなもんだから。また、自堕落にアメリカのルーツ音楽を礼賛しているわけでもない。昔、Van Dyke ParksDiscover Americaという作品があったが、Pullmanの音楽もまさにアメリカを再発見していると言えるのではないだろうか。そういった意味ではRy Cooderあたりと比すべきかもしれない。
1作目のTurnstyles and Junkpilesは基本的にマイクを2本だけ立てて一発録りされている。2作目のView Finderはドラムスが加わり、音楽としての幅は広がった。1作目にあったような開放感はやや損なわれた気がしないでもない。
倍音をたっぷり含んだアコースティック・ギターのアンサンブルにじっと耳を傾けていると、ちょっとトリップするかも。