シェルブールの雨傘

久しぶりに『シェルブールの雨傘』を観ました。すべての台詞に演奏と旋律がつくこの映画、普通にスルスルと観れてしまうのですが、どうやってタイミングを合わせているのだろうなんて考えると、作り手にとってみれば、演じたり編集したりする際の複雑さは想像を絶するものがあるんじゃないかと思います。でもそんなことを観客は意識する必要なんてありません。本当に面白いです。体中の水分が枯れてしまうのではないかと思うくらい泣きに泣きました。
ミシェル・ルグランの音楽の素晴らしさは言うまでもありませんが、カトリーヌ・ドヌーヴの危うい美しさ、泣ける物語……すべてが完璧です。兵役でアルジェリア戦争に駆り出され、引き裂かれた恋人たちの物語は、ポリティカルなメッセージでもあったそうです。映画って本当に素晴らしいですね。