人生の特等席

昨年公開された我らがクリント・イーストウッドが制作・主演をつとめる映画です。文句なしの面白さです。こういう映画を見ると、最近の映画は難しすぎたり、金をかけすぎたりしてるんじゃないかと改めて思います。映画はもっと単純でいいし、そんなにゴージャスである必要もありません。心温まる単純な物語があって、美しい映像さえあれば映画は成り立ちます。
そして、映像も美しいのですが、この映画の中で描かれるアメリカの風俗の魅力的なことといったら! 野球、モーテル、自動車、キャップ、チェックのネルシャツ、クーラーボックス、ピックアップ・トラック、酒場、ダイナー、摩天楼…、アメリカがアメリカであることの魅力が最大限描かれています。
ちなみに原題は、Trouble with the Curve。「カーブに難あり」「カーブが苦手」あるいはもう少し具体的に「カーブが打てない」ぐらいの意味なんでしょうか? たしかに直訳では集客力がなさそうですが、ずいぶん大胆な邦題をつけたものです。