The Smiths

Smiths
1969年生まれの僕が青春時代を過ごした時期、ジミ・ヘンドリクスは遠い過去の人だったけど、The Smiths天才ギタリスト、ジョニー・マーはまぎれもない同時人であり、ロックはこれっぽちも死んでなかった(The Smithsとて完全にリアルタイムで体験したわけではないけど)。アルバム『Smiths』のM6‘This Charming Man’のギターなんてカッコ良すぎて、30代半ばをむかえすでにいろんなことに鈍感になりつつある今の僕でも、レコードに針を落とした瞬間、血湧き肉躍ってしまう。そのギザギザしたディテールを隅から隅まで味わってみたいと思ってしまう。というわけで、最近The Smithsが私的なプチリヴァイヴァル。
80年代の名ギタリストたちのファンクネスに個人的に興味がある。パンクロックが切り開いた地平にいる彼らは、一方でディスコ・ミュージックの影響も間違いなく受けているわけで、ジョニー・マーにしろU2のエッジにしろ、それまでにない新しい何かを感じさせる。さらに、当時興隆しつつあったワールド・ミュージックの影響も無視できないだろう。端的にいって彼らが駆使するアルペジオ分散和音)は、The Byrdsあたりの影響もあるだろうけど、アフリカのある種のポップスと驚くほど似ている。
そんな、くされ屁理屈はともかく、The Smithsは僕にとって最高のバンドのひとつであり続けるだろう(もちろんモリッシーヘナチョコな歌詞と歌唱も含めて)。