ニセ日記

土日返上で働き続けすでに4週目になる今日もまた仕事をしていたものの、体にどんよりたまった疲労は拭いがたく、仕事をやり残したまま事務所を後にして乗り込んだ電車は、3連休の最終日の夜9時台という中途半端な時間であるためか、にわかには目的を判別しがたい曖昧な輪郭の乗客たちが目立ち、空席も見受けられる。疲れ切った体を曖昧な乗客たちの間の空席にするりと潜り込ませるや否や、腕を組んで軽く目を閉じ、そのまま眠ってしまいたいと思っても、いざ目を閉じると普段使い慣れない脳を酷使したためか、頭の芯が奇妙に痺れるように覚醒していて簡単には眠りが訪れない。しかもターミナル駅で周囲の乗客たちが降車したと思いきや、すぐさま新たな乗客たちがドスンと隣の席にやってくる。失礼を承知で言うなら、かつて女性であったこの乗客たちがまき散らすのは、異性が放つ官能を刺激する香りというよりは、化粧品やら香水やら整髪剤やらが混じり合った決して快いとは言い難い湿った空気であり、ますます眠りを遠ざける。仕方がないからカバンから取り出した本は、ゾルゲといういささか劇画的な響きを持つ第二次大戦前に暗躍したドイツ生まれのソ連の間諜のドキュメンタリーで滅法面白いのだが、いざ話に熱中しだすとたちどころにまぶたが重くなる。ようやく訪れた眠りを逃すまいと、本を閉じ固く目を瞑り束の間の眠りを貪ろうとするや否や、今度は口の脇から粘度の低い唾液がしたたり落ちそうになり、不意に我に帰り眠りがまたしても妨げられる。
でもこういう生活も、あと数日で終わる……はず。写真は昼にジョナサンで食ったキムチうどん。日曜祭日は飲食店が閉まっているのでファミレスのお世話になっている。いざ通いだすとけっこう楽しかったりする。