府中ビエンナーレ

英語式にバイエニアル(バイアニュアル)とは言われず、なぜかイタリア語風にビエンナーレと呼ばれる美術展があります。要するに2年に1度開催されるイベントであり、各国の作家を招く国際色豊かなイベントであることが多いです。もっとも有名なのはヴェネツィア・ビエンナーレでしょう。ヴェネツィアビエンナーレの長い歴史に敬意を表し、ビエンナーレというイタリア語が国際的に使われているに違いありません。日本人的には1966年のヴェネツィアビエンナーレ草間弥生が《ナルシスの庭》という作品を出品した挿話などが有名です。
さて本日、府中市美術館の「府中ビエンナーレ」に行ってきました。「美と価値──ポストバブル世代の7人」という副題です。今日が最終日でした。外国からの招待作家はおらず、国内の現存作家7人によるドメスティックな展覧会でしたが、とても素晴らしかったです。この美術館はウチから一番近い美術館なので頻繁に足を運んでいますが、素晴らしい企画が多くいつも感心します。森本太郎参考:コチラコチラなど)のペチャっとした絵と、多摩川をテーマにした大竹敦人が個人的には良かったです。コンセプチュアルな詩人である松井茂と、絵画の枠組みを積極的に広げていこうとする窪田美樹情報古いです)の作品も忘れがたい印象を残しました。ポストバブル世代である私は、バブル的なバカ騒ぎに与することのない、表現の強度に深く共感を覚えました。
それから、相変わらず素晴らしいのが常設展示です。宇佐見圭司の大作を見れたのが今回の最大の収穫でした。