Short Trip to Nikko (1) ──英国大使館別荘


ヴィクトリア朝時代の大英帝国の駐日外交官として日本の革命=明治維新に立ち会ったアーネスト・サトウは、鹿鳴館ニコライ堂などの設計で知られる「お雇い外国人」の建築家ジョサイア・コンドル(コンダー)に依頼し、明治29(1896)年に中禅寺湖畔の砥沢に英国公使館の別荘を建てました。建物が現存するかどうかは十分に調べられませんでしたが、この場所は現在も英国大使館の別荘として使われているようで、門の外から建物を窺ってみました。コンドルの建物じゃあなさそうなものの、不鮮明な写真で見たコンドルの建物のテイストを残しているようでもあり、静かに独り興奮してました。*1
もし、管理人に咎められたら「グッ・モーニン・サー。このたびの非礼を深くお詫び申し上げます。私はシロウト史家であります。どうぞ、この建物がサー・アーネスト・サトウの時代のものであり、サー・ジョサイア・コンダーが設計したものかどうかを教えていただけませんでしょうか?」と聞いてみるつもりでした。幸いと言うべきか不幸にしてと言うべきか、そのような事態には陥りませんでした。

*1:鹿鳴館の建築家 ジョサイア・コンドル展」図録、財団法人 東日本鉄道文化財団、1997年、p.137参照。余談ながら、版元の東日本鉄道文化財団の母体であるJRの東京駅舎は、コンドルの弟子・辰野金吾によるものです。現在、東京駅は大規模な復原作業中です。