美貌の青空


坂本龍一の1995年のソロアルバム『SMOOCHY スムーチー』の冒頭を飾る曲です。原曲はビートの効いた打ち込みに綿密に構成された演奏が組み合わさり帰属すべきジャンルを持たない不思議な曲となっています。売野雅勇の詩はこの曲にはぴったりで、「切なさで胸を痛めながら/君の 可憐な 喉笛から/あふれ出した 虹の涯は/美貌の青空」とか「君の血が透き通る/野蛮な 瞳 見ては/途方に暮れる 真夏の楽園」というようなキザなフレーズはむしろ完璧に収まっているように聞こえます。
SMOOCHY スムーチー』は、音楽の抽象的な不思議さみたいなものに自覚的になった年頃に聴いたアルバムなので個人的にはことさら印象的で、今でもよく聴くアルバムのひとつです。ミキシング・エンジニアは当ダイアリで何度か言及しているGoh Hotoda氏です。
上の動画はピアノ、ヴァイオリン、チェロによるトリオ・ヴァージョンです。
坂本龍一は、アーティストであること、美しくあること、かっこよくあること、そしてアクティビストであることをごく普通に生きており、その活動は常に勇気を与えてくれます。