短いことと長いこと
愚考を少々。
この視点に立つと、80年代のモッズ〜スカ・ムーヴメントなんてのは「短い」人たちによるものだということが分かる。ルックス的にもピチピチで袖や裾を短めに仕立てるモッズ・スーツなんてのは「短い」感じである。青と赤の円で構成された例のマークも、例えばペイズリー柄なんかと比べてみるとき、その意匠が意味するところははっきりするだろう。ポール・ウェラーの短く切り揃えられた前髪(下のジャケット参照)も何かを象徴している。ヘビメタなんかのな「長い」ルックスと対比すると、やはり対立点が明確になるように思える。
あくまで、たんなるひとつのものの見方に過ぎないわけで、世の中そんなに単純なものではないだろう。また、最近、僕が好きな音楽なんかはこういう視点からは理解できないものが多い気がする。
*1:余談ながら、ジャン=リュック・ゴダールの『勝手にしやがれ』は、プロデューサーに「長すぎる」といわれたJLGが、機械的に各シーンを「短く」切り詰めた結果、独特のリズムが生まれたという。さらに言うなら、ジーン・セバーグのショート・ヘアーや、ジャン・ポール・ベルモンドの太くて短いネクタイなんかもある種のテイストを生むのに貢献しているかもしれない。59年に公開され、のちにヌーベル・バーグの代表作となるこのフランス映画で、BGMとしてジャズが多用されているのも興味深い。