最近の読書生活

本日、帰宅したら注文していた雑誌が届いていた。『フライの雑誌』36、42、43、44、45号の5冊。現在、同社から買うことができるもっとも古いバックナンバー5冊だ。まだ全然読んでいない。古くからの愛読者の方々には失笑されるだろうけど、ページをパラパラめくって見出しをチラチラ眺めるだけでジーンとしてくる。ある時代にある人間がある考えをもってこの世に存在していたという確かな手応えがある。フライをはじめて良かったことのひとつは『フライの雑誌』と出会ったことだとマジで思う。

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僕はいっぺんに3冊ぐらいの本を同時に読む。なるべく、ジャンルはメチャクチャになるようにしている。その方が僕にはいいようだ。最近、中島らもバンド・オブ・ザ・ナイト (講談社文庫)』とシュリーマンの『古代への情熱―シュリーマン自伝 (岩波文庫)』を読み終え、村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)』を第2部まで読み終え、笠井潔の『ヴァンパイヤー戦争〈1〉吸血神ヴァーオゥの復活 (講談社文庫)』が第4巻に突入したところ。
1.『バンド〜』:ラリってる時の時間(ってゆーか意識)の流れってどんなだろ? ラリっているときの心象風景を描いたとおぼしき部分が途中途中に挿入されるのだが、この部分を読み進む速度は極端に落ちる。ある意味ラリってるってのはそういうことなのかなぁと思った。
2.『古代への〜』:外国語の習得というのは重要なんだなぁ……。
3.『ねじまき〜』:読みかけだけど……、相変わらず主人公はいろんな女の子と都合よく「寝る」。ノモンハンの皮剥の描写が今までの春樹ワールドにを突き破るものだと評価されているようだが、僕にはあいかわらず作品世界は強固なままに思える。
4.『ヴァンパイアー〜』:いわゆるジュブナイル。中学生の頃は夢枕獏の『キマイラ』シリーズが大好きだった。半村良の『妖星伝 (1) (講談社文庫)』は歴史に残る名作だと思う*1。それらと比べるとイマイチかなぁ、読みかけだけど……。正直なところ、早く読み終わってしまいたい。この人の本領はやっぱ本格ミステリかと。余談ながら、各巻の巻末に付される笹川吉晴氏の解説は秀逸である。ここでの議論を膨らませて、ぜひ一冊の本にまとめていただきたい。

*1:栗本慎一郎はかつて半村作品をサイエンティフィック・フィクションではなく、フィクショナル・サイエンスと言うべきだ、と何かの本で言っていた。御意。