踊る息子 その2

P-Funk Earth Tour Mothership Connection Funkentelechy Vs the Placebo Syndrome
今晩はP.Funkを息子に聴かせてみた。反応は良かった(笑。
P.Funkってのは変なバンドである。EW&Fなんかは適度にキャッチィで、現代でも万人(「人種を問わず」というほどの意味)にウケる普遍性がある。一方、P. Funkは、けっして万人にウケる音楽ではない。ディスコ(クラブともいう)でこんな曲がかかったら、かえって盛り下がってしまうかもしれない。でも、そのファンクネスというか黒さに一度ハマってしまうと大変である。僕が凄いなぁと思うのは、例えばP.Funk Earth Tourの冒頭の“P.Funk (Wants to Get Funked up) ”を聴いたとき。この奇跡のようなライブ演奏を聴いて演奏が上手・下手と問うたり、録音が良いの悪いの言う意味はないだろう。ここに記録されているのは、本当にP.Funkを必要としている会場を埋め尽くした黒々とした人々の心の叫びである。けっして、カッコいいからとか、オシャレだからとか、流行っているからとか、そういう(軽薄な日本人にありがちな)無意味な理由からではなく、苦しい日々を乗り越えていくために、P.Funkを本当に必要としているに違いない。そういう切実な何かが紛れもなくP.Funk Earth Tourには記録されている。くぐもった音の向こうから会場の熱気をヒシヒシと感じることができる。スタジオ録音はMothership Connectionに収録されている。
もう一曲、僕が大好きなP.Funkの曲は、Funkentelechy vs. the Placebo Syndromeに収録されている“Funkentelechy”である。ブーツィ・コリンズのベースは素晴らしいし、曲そのものもすごくいい。しかし僕が心底感動するのはジョージ・クリントンが「Take me to the Bridge」と言う瞬間である。JBから継承された何かが心を打つ。黒人による閣僚を発表する“Chocolate City”って曲もグっとくる(たしかアレサ・フランクリンがファースト・レディだった気がする)。
ところでP.FunkのMothership Connectionには“Supergroovalisticprosifunkstication”という曲が収されている、プリンスの幻のアルバムBlack Albumに“Superfunkycarifragisexy”という曲がある。プリンスもまた、JB、スライ・ストーン、Pファンクから何かを継承しているに違いない。