五輪と革命

自分で書いてて気付いたのですが、オリンピックというスポーツの祭典と、五月革命が同じ1968年の出来事だったという事実がうまく想像できません。オリンピックが終わって数ヶ月後に五月革命が勃発したようです。極めて政治的な日本ならそういうこともあり得るだろうと思うのですが、それがフランスだとちょっと話は違います。たとえば68年にはカンヌ映画祭が中止に追い込まれました。それがブルジョア的で、体制的だからでしょう、きっと。ゴダールトリュフォーががカンヌ粉砕の急先鋒でした。日本じゃディズニーは大成功ですが、フランスのユーロディズニーなんて大失敗みたいですし。たぶん、アメリカ文化を警戒し、かつ超バカにしているのでしょう。そんなテイストの濃い国で、もっとも政治的に過激だった1968年にスポーツの祭典が行われたという事実はにわかに理解しがたい感じです。ちなみに五輪が開催されたグルノーブルという都市は、70年代に入って過激なまでに政治化するゴダールが「ソニマージュ」(サウンドとイメージの造語) を設立した土地でもあるようです。『オリンピアン幻想―地上楽園とオリンピックの裏舞台』という本が出版されていました。