A Postcard from Scotland

kechida2005-11-17

……を私が受け取ったわけではありません。ちょっと恥ずかしいでのですが、私の大好きなフリッパーズ・ギターがそう歌っているのです。

a postcard from Scotland says
it's still rainig hard in the highland

"Good-bye, Our Pastels Badges", Three Cheers for our side

89年に発表されたフリッパーズ・ギターのデビュー・アルバムに収録されたこの曲の歌詞が文字通り以上の意味を持っているのは有名な話です。すなわち、Scotland の postcard というインディー・レーベルで活動していたアズテック・カメラ (aztec camera) というバンドの83年のデビューアルバムの題が High Land Hard Rain でした。フリッパーズ・ギターの詞はオマージュというか、同時代的な親近感の表明であったわけです。
アズテック・カメラはロディ・フレイムがリーダーのバンドです。83年当時、ロディ・フレイムは若干19歳だったそうです。それにしても、フリッパーズ・ギターは最強のコンビでした。小山田圭吾 (和光大) のサブカル・センスと小沢健二 (東大) *1の知性が組み合わさり最大限の効果を発揮していました。基本的に、UKのギターポップをパクッただけなのですが、にも関わらずその音楽はある種の切実さに満ちていました。
さて、そのロディ・フレイムですが、94年に発表された坂本龍一の名作 Sweet Revenge のM10, “Same Dream, Same Destination”で詩を書き、歌っています。曲名からも分かるとおり High Land Hard Rain の初々しさとは無縁というか、その対極にあるような苦々しい曲です。

What I want, and what I need, it's the same thing
Same dream, same destination

さてさて、その坂本龍一ですが、最近の坂本龍一バンドのギターを担当しているのが、ナント小山田圭吾なのでした。ここでやっと話は一周します。ちなみに、キーボードだかエレクトロニクスだかを担当しているのはオーストリアのFennezというアーティストです。この人は当ダイアリでもしばしば言及しているJim O'RourkeにRehbergを加え、Fenn O'bergというグループで活動しています。Return of Fenn O'Bergというアルバムだけ聴いたことがあります。スッゴイです。ジャケもヤバいほど超カッチョいいです。私は未聴ですが、Magic Sound of Fenn O'Bergジャケも基本的に同じセンスで、こちらもカッチョいいです。

* * *
ところで、前に引用したフリッパーズ・ギターの歌詞ですが、基本的に小文字だけで書かれています。I も、わざわざ i と書かれています。しかしながら、なぜかScotlandの冒頭の s だけが大文字になっています。
ル・コルビュジエなどのフランス系の建築家が有名な日本では、いまいち知名度が低いですが、20世紀のデザインの基礎を築いたといっても過言ではないドイツのバウハウスで、小文字表記法が検討されていた記憶があります。要するに大文字なんて面倒くさいから使わないで、すべて小文字だけで書いてみたらどうですか、みたいな話だったかと。ちなみに文字通りバウハウスという書体もあります。これは日本で言うところのいわゆるゴシック体ってヤツで、ヒゲのない簡素かつフォルムを強調した書体です。

*1:叔父は小澤征爾