S/Z

フライの雑誌』最新号の特集は 「野営のブルース」という題でした。私は一時期、『ミュージックマガジン』の熱心な読者でしたが、「blues」は「ブルース」ではなくて「ブルーズ」と発音(表記)すべきであると同誌は主張していた記憶があります。試みにネット上の英英辞典を引いてみました。やはり「ブルーズ」と発音すべきようです。

blues /blu:z/ noun
1 (often the blues) [U] a type of slow sad music with strong rhythms, developed by African American musicians in the southern US: a blues band / singer
2 [C] (pl. blues) a blues song
3 the blues [pl.] feelings of sadness: the Monday morning blues―see also baby blues

ちなみに、広辞苑の見出し語は「ブルース」となっています。和製英語というか日本語的にはそれで一定の歴史がありますから。「ブルーズ」という見出し語も存在していますが、それは「ブラウス」の発音のバリエーションのひとつです。ちなみに広辞苑にはどう書いてあるかというと、

(1) 19世紀末にアメリカの黒人の間に生まれた大衆歌曲。ヨーロッパ音楽にない独特の音階・旋法を用い、3行詩型12小節が基本形。多くは個人の苦悩や絶望感を即興的に歌った。ジャズの成立にも大きく影響。(2) 社交ダンス用に演奏される4分の4拍子の哀愁を帯びた曲。

といった感じです。いずれの意味も「野営のブルース」が意味しているところとはしっくりきません。「野営哀歌」とか「野営賛歌」ってのもちょっと違います。「自堕落に何かに淫する」といったニュアンスなんかも感じられます。「桜木町ブルース」なんて曲がありましたが、たぶんそういうモンなんだろうなぁとも思います。それが何なのか他人には説明できませんが。