岡本かの子

フライの雑誌』23号に湯川豊さんの「フライフィッシングは人と人を結びつけない」というエッセイが掲載されています。ちょうど『リバー・ランズ・スルー・イット』が公開された時期のようで、フライフィッシングがとりもつ親子の絆から語り起こし、「ロッドを片手に、ひとり緊張しながら流れを遡る」陶酔を語るこのエッセイで、「昭和初期に活躍した岡本かの子という作家の小説『河明り』を読んで、次のような一節に出くわしてギョッとしたことがあった」として、次の一節を引きます。

川を遡るときは、人間をだんだん孤独にしていきますが、川を下って行くと、人間は連れを欲し、複数を欲して来るものです。

岡本かの子は、岡本太郎の母です。川崎の高津の出身で、二子神社には太郎の手による母の偉業を讃えるモニュメントがあります。たしか、多摩沿線道路を走っていると見えたかと思います。
そんなわけでさっそく読んでみようかと思ったら絶版