夏休み

kechida2007-08-12

世間並みにお盆休みに突入しました。夏休み用というか、夏休みに向けてアーネスト・サトウ本を買い漁りました。
・『一外交官の見た明治維新〈上〉 (岩波文庫)
・『一外交官の見た明治維新〈下〉 (岩波文庫 青 425-2)
・『日本旅行日記〈1〉 (東洋文庫)
・『日本旅行日記〈2〉 (東洋文庫)
・『明治日本旅行案内〈上巻〉カルチャー編
・『明治日本旅行案内〈中巻〉ルート編 1

『一外交官の〜』の面白さには驚くばかりです。外からの目というか、相対化というか、自分の足元をしっかり見つめ直す良い契機になりました。
続く『日本旅行記』は、サトウの個人的な日記の旅に関する部分を抜粋したものです。日記ということは他人に読まれることを前提にしていないので、そういった意味では甘いというか、退屈な部分もあります。しかし、たとえば第一巻の第五章は「秘境奈良田から南アルプス初登頂 一八八一年〔明治十四年〕」と題されており、その各小見出しは以下の通りです。

第五章 秘境奈良田から南アルプス初登頂  一八八一年〔明治十四年〕
外国人に割高な宿泊代  小河内の名湯をたどる  柳沢峠を越え甲州へ  
弓張峠でライナイトを調べる  黒平から金峰山頂  木賊峠・塩川を経て長沢  
赤岳への足ならしに権田岳を登る  県境尾根の天狗岩で退却  高熱で生死の境をさまよう  
宮田で信州駒ヶ岳登山を断念  飯田から秋葉街道へ  青崩峠水窪  
秋葉神社の宿坊に泊まる  気田から大井川流域へ・気圧計に関心  
ホーズと合流・千頭寸又峡へ  危険な橋にひるむ  安部川をくだり静岡へ  
東海道から富士川へ・白糸の滝  富士山お中道で暴風雨に  人穴・下部温泉から身延山  
秘境奈良田で古語を採集  農鳥・間ノ岳へ初登頂  甲斐ヶ根は間ノ岳よりも低い?  
案内人に失望して芦倉へ下山  富士川下りで帰着

7月14日〜8月20日までの期間、これだけの旅をしたと言うから驚くばかりというか、うらやましい限りというか……。ちなみにこの本、クロス張り上製本、表紙には何かの紋章が空押しされていて、しかも筺入りというとても贅沢な本です。
最後の『明治日本旅行案内』は絶版でしたが、どうしても欲しかったので古本屋でけっこうな値段を出して買いました。こちらは当時の日本にいる外国人向けのちゃんとしたガイドブックです(ちなみに下巻まであって、全部で3巻組みですが、なぜかアマゾンでは見つかりませんでした)
夏休み中にすべてを読み終えることは無理だと思いますが、締めに日光への小旅行を計画しています。