400円で買える幸せ――気まぐれ美術館

最近、家から半径2キロほどの世界でしか生活していないので(ジョギングと通勤をのぞく)、またしても近所ネタです。 近所におそろしく趣味のいい古本屋があります。行くといろいろ欲しくなってしまい、頻繁に通っていたら破滅しかねません。なのでなるべく…

警視庁草紙

山田風太郎の『警視庁草紙〈上〉―山田風太郎明治小説全集〈1〉 (ちくま文庫)』を一昨日から読み始めました。ムチャクチャ面白くて仕方ありません。

三十年前の渓流釣場事典

奥付を見ると初版は1979年ということですから、今からほぼ三十年前のことです。そんな中途半端に古い鈴野藤夫『関東 信越 渓流釣場事典』(新評社)という本をたまたま手に入れることができました。帯には「釣鬼・鈴野藤夫が送る 渓流ファン必携のバイブル」…

夏にじます

父が入院し、昨晩は病院へ泊まり込みで見舞ってました。長い夜のヒマつぶしのために、本を何冊か買うことにしました。これを機会に『20世紀少年』を揃えようかと思いましたが、たまたま足を運んだ書店(改造社書店という。私の自我の形成に一役買った千葉パ…

GWの前半が終わりました──その1

家人がマンガを買ってきました。ENEMIGO エネミーゴ (光文社コミック業書"SIGNAL")作者: 谷口ジロー出版社/メーカー: 光文社発売日: 2007/11/30メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 3回この商品を含むブログ (4件) を見るエマ 10巻 (BEAM COMIX)作者…

ブライト・ライツ ビッグ・シティ

きみはそんな男ではない。 夜明けのこんな時間に、こんな場所にいるような男ではない。しかし、いまきみのいるのは、間違いなくこんな場所なのだ。この風景には見覚えがない、ときみは言うことができない。きみはナイトクラブにいて、頭を剃り上げた女と話し…

『東京アンダーワールド』雑感

『東京アンダーワールド』を読む1ヶ月前に、たまたま『下山事件──最後の証言』を読んでいたのは、私にとってとても良いことでした。戦後の占領政策、日本の戦後史についての一定の理解を自分のものとすることができた気がします。 日本の占領政策は、当初、…

ベトナム戦記

ベトナム戦記 (朝日文庫)作者: 開高健出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 1990/10/01メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 76回この商品を含むブログ (65件) を見る私は『オーパ! (集英社文庫)』をはじめとする釣り紀行文を通じて開高健に深く親しんでいま…

ブナ、山毛欅、橅

芦澤一洋には、求道的というかスピリチュアルというか、なんとなくそんなイメージを抱いていて敬遠していました。私は、湯川豊氏になんとも言えない「上品さ」を感じます。上品さは教養や経済的余裕、そしてなにより本人にその資質があってはじめて獲得する…

リアリティ

イワナ俚諺*1がいつの時代に成立したかは詳かではないが、 釣り人の間で有意な指標として存在し得たのは、昭和30年代が最後であったようである。その頃から釣り人の意識のなかで俚諺のもつ意味、あるいは価値というものが変容したことになる。その背景には、…

丹沢釣り風土記

という本があったので買いました。なぜかというと、著者が『峠を越えた魚―アマゴ・ヤマメの文化誌』の鈴野藤夫だったからです。『峠を〜』も素晴らしい本でしたが、こちらも劣らず素晴らしいです。 比較する意味はあまりないかもしれませんが、碓井昭司の『…

K

K(ケイ) (Action comics)作者: 画・谷口ジロー作・遠崎史郎出版社/メーカー: 双葉社発売日: 1993/07/12メディア: コミック購入: 7人 クリック: 15回この商品を含むブログ (7件) を見るK (双葉文庫―名作シリーズ)作者: 遠崎史朗出版社/メーカー: 双葉社発売日…

読書の秋

そろそろ『岳 5 (ビッグコミックス)』が発売されているかと思い、本屋さんに立ち寄ってみましたが、残念ながら虎ノ門と国立の書店にはまだ配本されていませんでした。三省堂、紀伊国屋、八重洲ブックセンターなんかならあったのかもしれませんが。 「まだ、…

夏休み

世間並みにお盆休みに突入しました。夏休み用というか、夏休みに向けてアーネスト・サトウ本を買い漁りました。 ・『一外交官の見た明治維新〈上〉 (岩波文庫)』・『一外交官の見た明治維新〈下〉 (岩波文庫 青 425-2)』・『日本旅行日記〈1〉 (東洋文庫)』…

M.O.M.のフライ、その他

備前貢さんの一連の記事(1, 2, 3, 4, 5)に触発されて、買ってみました。ついでにギーラックの“Sex, Death, and Fly-Fishing (John Gierach's Fly-fishing Library)”も注文しちゃいました。さらについでに“Fishing Bamboo: An Angler's Passion for the Tra…

シートン──旅するナチュラリスト

先日の『神々の山嶺』に続いて、『シートン──旅するナチュラリスト』を読み始めました。本質的なところでこの話を受け入れるかどうかは別として、一般的にはすごく面白いと思います。 私は谷口ジローとはじめて出会ったのが、『孤独のグルメ (扶桑社文庫)』…

『トラウト・バム』雑感

あれから4ヶ月。ようやくジョン・ギーラックの『トラウト・バム』を読み終え、無性にバス釣りに行きたくなりました。 日本で言えば、湯川豊氏の釣りエッセイはギーラックに匹敵するようなとても素晴らしいものですが、慶応大学出身、大手出版社に勤務し、取…

コンプリート

最近、電脳市場に血道を上げてまして、ブログが放置されてました。ここ数週間で、11万ほどの支出があり、8万円ほどの収入がありました。まだ、3万ショートしてます(苦笑。 張り巡らされた銅線および光ファイバー網上をいくつかの思惑をともなったレイヤー1…

みっともない日本の私

こんな記事を書いたので、『美しい日本の私 (講談社現代新書)』と『あいまいな日本の私 (岩波新書)』を読んでみました。 大江健三郎の作品は好きで、けっこういろいろ読みましたが、作品の評価とは別にこの人の立ち位置というか社会的発言にはイマイチ共感を…

垢石・鮎・調布

佐藤垢石の『釣の本』(アテネ書房、1989年6月)という本を古本屋で買ってきて読み始めています。銚子の海で釣りをしていた幼年時代を思い出し冒頭から滂沱してます。川を遡る鮎をめぐる思い出が、父や母との甘美な思い出と結びついていて、ホント泣けます。…

トラウトバム

タイガーバームじゃなくて、あのJohn Gierachの Trout Bum の邦訳がとうとう発売されるようです。つり人社からです。『Flyfisher』を立ち読みしてて知りました。『L.L.Bean バス・フライフィッシング・ハンドブック』を翻訳した東知憲が翻訳をするようです。…

神々の山嶺

家人がコミック版『神々の山嶺』(全5巻)を買ってきました。私もつい最近、夢枕獏の原作を買いかかったし(結局その時は半村良の『産霊山秘録 (集英社文庫)』を購入)、谷口ジローの『シートン──旅するナチュラリスト』を読んでみようかなぁと思っていたと…

禁じられた書

ようやく『アメリカの竹竿職人たち―アメリカン・バンブー・ロッド工房探訪記』を手に入れました。長いこと版元在庫切れ、しかも諸般の事情からこの版元から増刷されることは難しいというか、まずあり得ないと推測されます。税別定価3800円だった本に5000円出…

峠を越えた魚

とある個人的な興味──すなわち、私がよく行く場所のアマゴの由来を知りたくて『峠を越えた魚―アマゴ・ヤマメの文化誌』という本を買いました。ムチャクチャ面白いです。草木を愛でたり、絶景を眺めるのも山登りの楽しみであるのですが、ある地形をトレースす…

『岳』第3巻

岳 (3) (ビッグコミックス)作者: 石塚真一出版社/メーカー: 小学館発売日: 2006/12/26メディア: コミック購入: 3人 クリック: 28回この商品を含むブログ (68件) を見るまたしても、もりさんのブログで発売を知りました。いい表紙だと思います。個人的には2巻…

四季、あるいは壮大な新体操

森博嗣の『四季 春 (講談社文庫)』と『四季 夏 (講談社文庫)』を買ってきました。『春』は読了。『夏』を読んでいる最中ですが、ほとんどオールスター出演の様相を呈し始めているわけで、この人ホント楽しませてくれます。 クラシックの交響曲や、良くできた…

Death Note

義姉から借りて、いまさら読み始めました。妻は読了、私は4巻ぐらいでくじけてます。『多重人格探偵 サイコ』の方が全然面白いです。

「はい。北アルプスの三歩です。」

……と帯に書かれた漫画を買って読みました。「三歩」というのは山岳救助をテーマとするこの漫画の主人公・島崎三歩のことです。こちらの記事を読んで発作的に買ってしまいました。医療が漫画になりうるわけですから、当然山岳救助だって漫画になりそうなもの…

画家と音楽家

画家・大竹伸朗の雑文集『既にそこにあるもの (ちくま文庫)』に収録されている「距離 武満徹の追憶に」と題された文章にとても興味深いエピソードが紹介されています。「一九九〇年の個展の際、となりの建物で同時に展覧会をやっていたイギリスの音楽家デヴ…

ゴチューイクダサイ

まもなく3歳になるウチの息子は今まさに言葉を覚えつつあります。驚きの連続です。 息子は電車が好きなので、よく駅に連れていって、電車を見せています。で、最近息子が覚えた言葉が「ゴチューイクダサイ」なのです。実際のところ、注意して聞いていると頻…