ゴチューイクダサイ

kechida2006-08-28

まもなく3歳になるウチの息子は今まさに言葉を覚えつつあります。驚きの連続です。
息子は電車が好きなので、よく駅に連れていって、電車を見せています。で、最近息子が覚えた言葉が「ゴチューイクダサイ」なのです。実際のところ、注意して聞いていると頻繁に駅のアナウンスでは「ゴチューイクダサイ」と言っています。外国だとどうなんだろう?と思ったりしました。そもそも「ゴチューイクダサイ」を英語に訳すると何となるのでしょう? take care〜?
村上龍の『五分後の世界 (幻冬舎文庫)』の一節を思い出しました。「現在より五分間時空のずれた地球では、もうひとつの日本が戦後の歴史を刻んでいる」という「五分後の世界」では、日本は5発の原爆を投下され、本土決戦を行い、全土が焦土と化し、連合軍の占領下に置かれるも、国家消滅の危機に際して新たな日本を築こうと志した一部の将校団により、戦闘的小国家として日本は再興します。国連軍、そして帝国主義に対してゲリラ戦で抵抗を続ける日本は、59年のキューバ革命に際し、フィデル・カストロの要請に応じ、「竹内剣次大尉率いる小隊を派遣し革命軍を助け」たりもします。そんな「五分後の世界」に何かの拍子に紛れ込んでしまった主人公は、この「五分後の世界」を体験し、以下のように「もといた」世界を回想します。

(…) オレがもといたところはみんなひどいおせっかいで、どんでもねえお喋りなんだ、駅で電車を待っていると、電車に近づくな、危ないから、なんて放送があるんだぜ、電車とホームの間が広くあいてるから気を付けろっていう放送もある、窓から手や顔を出すなってことも言われる、放っておいてくれっていってもだめなんだ、自分のことを自分で決めてやろうとすると、よってたかって文句を言われる、みんなの共通の目的は金しかねえが、誰も何を買えばいいのか知らねえのさ、だからみんなが買うものを買う、みんなが欲しがるものを欲しがる、大人達がそうだから子供や若い連中は半分以上気が狂っちまってるんだよ、いつも吐き気がして当たり前の世の中なのに、吐くな、自分の腹に戻せって言われるんだから、頭がおかしくなるのが普通なんだよ (…)