禁じられた書

kechida2007-01-16

ようやく『アメリカの竹竿職人たち―アメリカン・バンブー・ロッド工房探訪記』を手に入れました。長いこと版元在庫切れ、しかも諸般の事情からこの版元から増刷されることは難しいというか、まずあり得ないと推測されます。税別定価3800円だった本に5000円出しました。中古なのに。それでも安い方で、相場はこれくらいみたいです。担当編集者の愛が行間から滲む良書ですが、福沢さんくらいの値段だと、私的には有難みがありません。経済力や価値観に応じた適正価格というものは誰にでもあるもので、そこをクリアしないことにはどんな逸品でも、所有し、使う歓びを味わうことはできないのです。
昔の『フライの雑誌』で阪東幸成さんと湯川豊さんが対談していて、グラファイトの竿は谷に異物を持ち込んでいるような感じがする……、とそんなことを言ってました。「何言ってるんだョ」と思わないでもありませんが、それは嫉妬の裏返しの感情であることは明白で、border を越えた甘美な世界を竜宮城のように夢想してしまいます。サマーズのロッドがあれば尺ヤマメをかけそこなうことはない……と、そんなことをつぶやいてみたいなぁと(笑。