バトル・オブ・平塚

赤星家がらみのネタです。神奈川県の平塚市美術館には安田靫彦の《赤星母堂像》という作品が所蔵されています(私は未見)。この「赤星母堂」は我らが赤星鉄馬のご母堂、すなわち赤星弥之助の妻になります。赤星弥之助は大磯に別荘を構えていて、西湘とは縁の深い人でした。その赤星弥之助を黒田清輝が描いた肖像画が存在していて、先ごろ、平塚市(美術館)がこの作品を購入する/したそうです(調査不足なので詳細は不明)。なんでも、購入金額は1500万ということですが、ご母堂の肖像画もあることだし、西湘とゆかりのある人だから……、というのが購入の理由だそうです。厳しい財政状況に鑑み、同館は作品の購入をほとんど実施しておらず、実に何年かぶりの購入だったそうですが、やはりケチがついたそうです。
いわく、30万の価値しかない作品になんで1500万も出すんだ、1470万を返せとか……。その辺の経緯はコチラ(PDF)をどうぞ。まぁ、私も庶民の一人としてその気持ちは分からないでもないですが、絵の価値を決めるのは、市民の方々や鑑賞者・愛好家なのではないかとも思うのです。前述のとおり西湘地区にはゆかりのある人だし、しかもご母堂の肖像画と一緒に所蔵されるなら、これはとてもいいことではないでしょうか? (裏の)日本近代史、そして、近代日本レジャー史(ゴルフ・釣り)にビミョーな足跡を残した赤星家の当主とその妻の肖像画を所蔵する市に暮らす、というのはなかなか素敵なことだし、他人に自慢できることなのではないかと思ったりもします。地域の人々や愛好者に愛されれば愛されるほど絵の価値は上がることでしょう。もちろん美術館も啓蒙活動を通じ、市民の方々に美術館の意義を認めてもらうよう努力すべきなのは言うまでもありませんが。
謝辞:今回のエントリは、下記の記事を大いに参考にさせていただきました。ありがとうございました。
赤星弥之助と明治美術 | あぁ、そうだったのか的備忘ログ - 楽天ブログ