ポリリズム


私は、CMで耳にしたこの曲がきっかけでパフュームが好きになりました。最初聴いたときから超カッコいいと思ってましたが、あるとき、TVの歌番組で実物を目にし、その名を知り、一気にファンになりました。最初はのっちが好きで、今はかしゆか命です。
ディレイの効いたアナログシンセ(風?)のベースラインや、ヴォコーダーを通したコーラスなど、ツボにはまりまくる気持ちよさが目白押しの中、サウンド的なクライマックスは最後のリード風の音が奏でる旋律にある気がします。この旋律はなんとも言えず無国籍風で、自分が自分であることの鬱陶しさを一瞬忘れ、自分でない何かになれるかもしれない瞬間を垣間見させてくれます(笑中田ヤスタカの曲作り・詩の素晴らしさが際立ちます。もちろん、コレオグラファーのことも忘れてはなりません。「ポリリズム」という題も何気にいいです。「複数の」を意味する「ポリ」とリサイクルの対象となるポリエステルやポリエチレン、ポリ袋などの「ポリ」をかけているのかなぁと思ったりもしました。深読みしすぎ?
しかし、やはり一番スゴイのは、曲や振り付けの素晴らしさにに負けず、果敢に歌って踊る、まだ10代のこの3人組の女の子たちでしょう。傀儡という見方もできますが、ただの操り人形に見えないのは、何よりもこの3人が楽しみ/楽しまそうとしているからに他なりません。3人が踊る姿を見ればたちどころにそれが理解できます。このビデオは、ひどく被写界深度の浅いキャメラが3人の顔を艶めかしくなぞり、今まさにノっている10代の女の子にしかありえない垂直な美しさとでも言うべきものを封じ込めているようです、というのはいささか褒めすぎでしょうか?(笑
ちなみに、このシングルにはちょっとした仕掛けが施されているようです。たしかに完璧に別バージョンになります
さらに英語の字幕付きヴァージョンまでありました。この曲は「リサイクル」がテーマになっているわけですが(そこを押さえないと「あぁプラスティックみたいな恋だ」というフレーズの意味がまったく分からなくなります)、それを上手く汲んでいるのかどうか、よく分かりません。また、「衝動」「感動」「反動」などと韻を踏んでいるところなんかもどうなんででしょう? いずれにせよ、理由はよく分からないものの、どうやら外国の人もこの3人組に一定の関心を持っているようですYouTubeのコメント欄なども参照されたし)。昔、坂本龍一が、日本で10万枚売れるより、世界で1万枚売れた方がうれしい、みたいなことを何かに書いていましたが、なんとなく分かる気がします。