Perfume, GAME

スゴイスゴイスゴイスゴイスゴイスゴイスゴイスゴイスゴイ! スゴすぎる!! 2008年J-Pop界の最大の収穫じゃないでしょうか? 事件の現場に立ち会ってしまった興奮のようなものを感じずにはいられません。捨て曲なしの全12曲。作詞・作曲の中田ヤスタカには感服しました。一曲一曲が素晴らしいのはもちろんですが、曲の並び順、そして、詩が喚起するイメージ、3人の歌唱とダンスが渾然一体となって恐ろしいほど完成度の高いアルバムとなっています。

GAME(DVD付) 【初回限定盤】

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M1. ポリリズム

おそらく最初からNHKとのタイアップが決まっていたのではないかと想像するのですが、怖いくらい細部まで作り込まれています。ディテールに目を凝らし、指でなで回し、舌で舐め回すような聴き方にも耐えるくらいの気迫がこもっている感じがします。冒頭を飾るにふさわしい曲と言えます。

M3. GAME

本アルバムの中でも白眉の一曲です。今までのパフュームでは考えられなかったような暗い曲調で、こういっちゃぁファンの人は怒るかもしれませんが、なんとなくNINを彷彿とさせたりもします。一方、ギタープレイは例えば立花ハジメなんかを参照しているようでもあります。以前も書いたとおり、「ジェニーはご機嫌ななめ」なんかもカバーしているので、これはあながち穿った聴き方ではないと考えます。GAMEは本アルバムのタイトルでもあり、黒を基調としたジャケ写もこの曲にインスパイアされたものでしょう。ファン的には女子大生になった3人の新展開を予感させる曲であるかもしれません。

M4. Baby crusing Love

新展開のM3に打ちのめされながらも、パフュームの変貌ぶりに一抹の不安を抱いていたファンは、この曲で心底救済されるのではないでしょうか(笑。曲も詞もひたすらメロウでスイートです。PVも最高にセンスがいいです。ピアノは中田ヤスタカが弾いているのでしょうか? メロディーメーカーとしての素晴らしさが際立ちます。ベースはしばしばあまりに音程が低く、基音はほとんど聴き取れなかったりするわけですが、増幅され発振する倍音がやたらと気持ち良く、この傾向は全体に見受けられます。
パンフレットのM3とM4の歌詞が掲載されているページの対向にえらくコケティッシュかしゆかの写真が掲載されていて、あまりのキュートさに個人的にはノックアウトされました。

M5. チョコレイト・ディスコ

メーター振り切りっぱなしで、このバカヤローみたいな潔さを感じます。その潔さは端的に「チョコレイト・ディスコ」という題に表れています。ヘタすりゃ30分や1時間で作っちゃったような曲なのかもしれません。

M11.Twinkle Snow Powderly Snow

エレピの音がやたらと気持ちいいわけですが、これも中田ヤスタカの演奏なのでしょうか? 歌唱というかコーラスの作り込みが見事です。おとといくらいにNHKの歌番組に3人が出演していたのを見たとき、インタビューでおもしろいことを言っていて、中田ヤスタカはボーカルを録音するとき、立って歌わせないで、小さなイスに座らせて歌わせるようです。そうすることで歌い込まれないようしているそうです。
M3以外はすでにYouTubeで親しんでいた曲ばかりを取り上げましたが、本当に捨て曲ゼロで、全曲素晴らしいです。ひとりでバカみたいに盛り上がっていると鼻白むかもしれませんが、騙されたと思ってぜひどうぞ!