登攀具問答

kechida2008-07-02

先日のアクシデントにもめげず、会社からの帰り道にある山道具屋へ寄って登攀道具を物色してました。
「スリングが欲しいんですけど、どれがいいっすか?」
「何に使うの?」
「渓流釣り」
「別にスリングでもいいけどさ、それだったら細引きを30mくらい買った方が安いし、いろいろ使えて便利だと思うよ。カラビナもそこのレジ脇のヤツが3割引で一番安いよ。だってさ、ちょっとトラバースしたり、懸垂下降したりとか、そういうことでしょ?」
「ええ、まぁ……」

いや、私は何でも「道具」と「形」から入るタイプで、実用性ももちろん重視してるけど、できればブラックダイアモンドとかペツルとかの舶来のブランド物が欲しいんです、とは言いにくい雰囲気でした。「なんか役立つ本はありますか?」と聞くと「いや、本はいろいろ出てるけどさ、必要に迫られて実践しなければ身に付かないでしょ。だって、こんな結び方覚えられる? 固結びだってなんだっていいんだよ、ほどけなければ。なんでも教えるから、分からないことがいつでもおいでよ」とのこと。もちろん、営業トークでもあるのでしょうけど、店員さんは本当に親切に助言してくれたので、とりあえず信用することにしました。じっさいこの日もロープのまとめ方、切り方なんかを丁寧にレクチャーしてくれ、店を出る時、私のグレゴリーのカバンの中には6mmの細引き30mと特価品のカラビナを2個が入っていました。
私だって、フライ釣りを始めたいというズブのシロウトがいきなり竹竿を買うといったら、絶対に「ヤメロ」と助言します。ウィンストンやスコットのグラファイトだって薦めません。そんな金があったら時間の許す限り釣り場に行った方がいいよって言うに違いありません。公園でキャスティングの練習をするくらいだったら、河原に立った方が楽しいし、ためになると思います。
足は癒えつつありますが、別の事情で釣り場に行けない今日この頃、ロープとカラビナを眺めてはニヤニヤしています。