アウトテイク集

ビートルズ以来、コンセプト・アルバムという考え方は一般的なものとなり、アーティストはあるアルバムにどんな曲を収録し、どんな曲順で収録するかによって、コンセプトとか気分みたいなものを伝えるようになりました。
そういった流れの中で、とりあえず作ったはいいけど、どこに入れても収まりが悪いなぁみたいな曲がしばしば生まれます。かといってお蔵入りにするにはもったいないので、シングルのB面に収録されたり、企画もののミニアルバムとして発表されたりします。私はけっこうそういう曲が好きだったりします。別に根拠はないのですが（笑。
最近、Yo La Tengo のアイトテイク集 Today Is the Day を中古屋で見つけて買いました。これ最高です。以前も取り上げた、Summer Sun 収録の“Today is the day”の爆音フィードバック・ギター・ヴァージョンが冒頭に据えられ、続いてM2からM5まではやはり Summer Sun に収録されなかったアウトテイクが並びます。確かに、アルバムには居所がなかったのかもしれませんが、曲の完成度はいずれも高く、コンセプから切り離されてかえって楽曲に素直に向き合える気がします。そして、M6がやはり以前に取り上げた“Cherry Chapstick”のライヴ・ヴァージョン。こちらはアルバムでは爆音フィードバック・ギターの曲だったのが、アコースティックなアメリカン・ゴシック風の曲となっています。
私が買ったのは日本のみの企画盤だったのですが、これにはさらに Nuclear War (Single) というシングルもカップリングされています。サン・ラ・アーケストラの曲をカバーしているわけですが、これも素晴らしい。
まったくの余談ですが、一番大好きなアウトテイク集は？と聞かれたなら（そんな質問をする人はいないでしょうけど）、私は Velvet Underground の Another View を挙げます（The Jam のシングル集なんかもいいですけど）。 “Coney Island Steeplechase”“Guess I'm Falling in Love”なんてホントにかっこいいです。