優雅で感傷的な日本のポモ

24アワー・パーティ・ピープル [DVD] A Y.M.O.FILM PROPAGANDA [DVD]

久々に休んだ。休んでしまった以上、きっと明日はまたウンザリするほど仕事がたまっているはず。まぁ、いいや。
ほとんど寝て過ごし、DVDを二本見た。ひとつは、ちょっと前に買って未見だった『24アワー・パーティー・ピープル』。もうひとつはYMOの『PROPAGANDA』。前者は前の日記に書いたとおり、マンチェスターのファクトリー・レーベルを題材にしたもの。1976年にマンチェスターセックス・ピストルズがギグをやり、そのときの会場を訪れたたった42人の観客からすべては始まる。前半の主役はJoy Divisionだ。このバンド名、すでにご存じの方も多いと思うが、ナチの収容所にあった慰安所の呼称である。歓び=快楽の部署ってわけだ。
一方のYMOナチス・ドイツを連想させるポスターを少年がベタベタ街に貼りまくる映像から始まる。メンバー3人の衣装もやはりナチっぽい(上のジャケ参照)。でも、Joy Divisionと比べたとき、その空虚さは凄まじいものがある。ライブ映像だけでは間が持たないのか、いまどきカラオケでもあんなカッコ悪い映像はないってくらいダサい映像が途中にはさまる。YMOってこんなカッコ悪かったんだっけ? いやいやそんなはずはない。昔、MTVかなんかで見たライブ映像は超カッコ良かった。でも、あの中で一番カッコよかったのは矢野顕子だったかも。『PROPAGANDA』にはアッコちゃん出てないからなぁ。
New Orderギリアン・ギルバートのデビュー当時の化粧なんて、今からするとちょっと考えられないぐらいケバい。スリッツとかストロベリー・スイッチブレードなんかも。頬紅はほんのり頬を染め上げるためではなく、濃い三角形の陰をつけて頬骨を強調するかのように塗られている。アイ・シャドーも尋常じゃない濃さ。髪の毛はソバージュでバサバサに傷んでいそう。健康的であることを強調するためにではなく、不健康であることを強調するための化粧だ。『PROPAGANDA』中のダサい映像に出てくる女性も同様の化粧をしている。でも、ギリアン・ギルバートやスリッツはメチャメチャかっこいいのだけれど、『PROPAGANDA』の女性はなんだか空虚なんだなぁ。
この空虚さはやがて泡となってはじけ飛ぶ80年代の日本の空虚さと直結している気がする。