まだまだ続くゲージツの秋

東京都現代美術館の「ピカソ展 躰とエロス」。ピカソの大作の油彩作品というのは、どーも過ぎた贅沢品に思えてしまい、いまいちのめり込めない。むしろ、いつも感心するのはデッサンの類である。今回もデッサンをはじめエッチングなどが多数展示されていて楽しめた。今回の出品作には牛頭人身のミノタウロスが描かれているものが何点かあった。ピカソは自分自身をミノタウロスとみなしていた、と何かの本で読んだ記憶がある。まさに20世紀の「怪物」であり、われわれ鑑賞者はさながらミノタウロスに犯される女性のようだと言えるかもしれない。
練馬区立美術館の「小熊秀雄と画家たちの青春」展は「詩人として知られる小熊秀雄の画家としての側面に焦点を当てるとともに、彼と交流した「池袋モンパルナス」の画家たちを紹介」する展覧会。小熊秀雄って人は名前だけ知っていた(要するになんにも知らないっつことです)。油彩は5点ほどだったものの、水彩画、デッサンの類がたくさん展示されていた。子供がアブアブ騒ぐので落ち着いてじっくり見ることはできなかったが、カタログを買ってきたのでこれからじっくり見てみたい。それから「池袋モンパルナス」の作家、長谷川利行靉光、麻生三郎、大野五郎、寺田政明、松本竣介をまとめていろいろ見ることができたのはとてもヨカッタ。利行の「少女」、麻生三郎の「自画像」、竣介の「青の風景」「煙突のある風景」が特に印象に残った。これで入場料500円は安いと思う。
ほかにも3つほど展覧会をみたのだが、力尽きた。余力があったら後ほど。