クリスマスに聴きたくなる音楽

Sings ウィスパー・フォー・ユー Oranges & Lemons
昨日は仕事だったので、本日ささやかにクリスマス。ありきたりだけどジャズを聴くとソレっぽい気分になる。ってわけでチェット・ベイカーSings。不良性、退廃、両性具有……、バリバリにキメてレコーディングに挑んだのだろうか。カッコよすぎる。
もう一枚のジャズ『ウィスパー・フォー・ユー』はある意味ちょっと恥ずかしい。甘く切ないウィスパー・ヴォイスの持ち主ブロッサム・ディアリーの57年と70年の入手困難な名盤をカップリングした日本独自の企画盤で、解説を書いているのは小西康陽。M12の「I like London in the rain」がイージー・リスニングのコンピ Inflight Entertainment に収録されていて、これを聴いて感動して買ったわけだが、いずれにせよいわゆるひと昔前の渋谷系ですな。でも、音楽そのものに謙虚に耳を傾けるなら、たちまちその魅力の虜に。
一方、XTCOranges & Lemons。大学一年のクリスマス時期にやたらよく聴いたという個人的な理由でなんとなくクリスマスに聴きたくなる一枚。ベースラインに注意深く耳をかたむけているだけで陶然とする。ルート音を八分で弾くだけのパンクロックばかり聴いていた時期に聴いたので、最初はただ良い曲だなぁと思うだけだった。メチャクチャ高精度のボールベアリングが仕込まれた、堅牢なベイトキャスティング・リールのような音楽である。