1936年のヨセミテの西園寺公一
昨日のエントリに書き忘れたが、西園寺公一は1936(昭和11)年にヨセミテを訪れた際、やっぱり釣りをしていた。好きですなぁ。
会議がすむのを待ちかねたように、僕はフライ竿を持ち出して、美しいヨセミテの湖水で鱒をあさったのだが、魚の跳ねもでないし、一向に釣果があがらない。コーン・パイプをくわえて、僕の釣るのをじっと見ていたインディアンの老人が、見かねて教えてくれたのが、この釣り方である。
「この釣り方」とはどんな釣り方かというと、以下の通り。
餌用に加工されたイクラの一粒に鉤がすっかりかくれることが肝腎である。そして、一匁中通しの錘をつけ、竿を振って、遠くふっ飛ばし、ソロソロと出来るだけゆっくりリールを捲き寄せて釣る釣り方(…)
ちなみに、「日本の低賃金労働と、それに基づく『ソーシャル・ダンピング』」が問題になっていたこの国際会議で、西園寺は尾崎秀美に出会い心酔したという*1。歴史だなぁ。
◇写真は、safari邸から見た朝の風景。見事でござんした。金じゃ買えんです。本文と写真は関係ありません(念のため)。
*1:ロバート・ワイトマン『ゾルゲ 引裂かれたスパイ〈上〉 (新潮文庫)』新潮社、p.322.