フライロッダー考

kechida2005-10-16

昨日の日記に書いたフライの雑誌56号に掲載のカブラー斎藤「私は言葉にうるさい」の中で、「フライで釣る人」の呼び方として「フライロッダー」が検討されています。

少なくとも日本ではそんな言い方誰もしねーよと言い切れる「フライロッダー」。この呼び方は同名の雑誌『フライロッダーズ』が考え出したようだ (っていうよりこの雑誌の中でしかこんな呼び方しねーよ)。

私は?と思いました。以前のエントリで紹介したとおりA.D.Livingstonという人が書いたFly-rodding for Bassという本を私は持っています。fly-roddingがあるなら、当然fly-rodderもあり得ると思うのです。同書の目次を眺めていたら「APPENDIX: FLY-RODDER’S GUIDE TO GEAR AND TACKLE SOURCES」という項目がありました。ハイフンで繋いでいますが、英語圏では普通に使っているようです。ってかGoogleでの検索結果はコチラ
同書の「Preface」は次の一文から始まります (強調は引用者)。

When I frist wrote this preface, I rambled on for five or six pages, exploring in my mind the virtues of fishing for bass with fly rod. Then I decided to come right to point: The best reason for using a fly rod is that it will at times catch more bass.

カブラー斎藤氏は「フライロッダー」がありなら「フライリーラー」や「フライライナー」や「フライヤー」が出てきてもおかしくないと言いますが、上記の引用文を読むかぎり、フライタックルを代表するものとしてフライロッドが選ばれているわけで、それはまったく不自然じゃないように僕には思えます。しかし、これをフライリールやフライラインに代表させるのは不自然だと思います。というワケで「Flyrodder」という言葉は何もおかしくないようです。『Fly Rodders』誌の名誉を回復するささやかな一助になれば幸いです。むしろ私がよく分からないのはなぜ最後に「s」が付いているかです。定冠詞・不定冠詞、単数・複数などは我々日本人がもっとも苦手とするところです。それから同誌は1語ではなく2語としています。前述の本ではハイフン*1でflyとrodderを繋いています。その辺も細かいニュアンスはよく分からないです。

*1:余談ながら英語にはハイフンとは別にダッシュというのがあります。またダッシュも短いエヌダッシュと長いエムダッシュがあります。この呼称が正式なものかどうかはよく分かりませんが。