鱒釣りが好きな大統領

kechida2005-11-03

オゼタジュニの大統領にはフライ釣り愛好家が何人かいたようです。31代のハーバート・フーヴァー、34代のドワイト・D・アイゼンハワー、そして、39代のジミー・カーター。そのジミー・カーターが退任後にFly Fisherman 誌に書いた文章を翻訳した「スプルース・クリーク日誌」が収録されている『鱒釣り―アメリカ釣りエッセイ集』という本を読み始めました。同書のあとがきによると、フーヴァーとアイゼンハワーは就任前からフライ釣りが好きだったようですが、カーターは就任中に好きになりどんどんのめり込んでいったということです。退任後の81年に訪日したおりには、忍野で釣りを楽しんでいったそうで、その模様は『フライの雑誌』の69号でも紹介されていました。また、その記事を読んで私もちょっとしたエントリを書きました。69年生まれの僕が名前を覚えた最初の大統領はカーターだったし、フェンの竿を使っているらしいと分かって勝手に親近感を感じている今日この頃です。
同書には12の文章が収録されているのですが、カーター元大統領のは2番目です。帰りの電車で読んできました (今日も仕事!)。

(中略) わが釣り仲間たちは、私がかけがいのない物をホワイト・ハウスからブレインズに移る際に失ったことを残念がった──それは選挙に敗れたことではない。引越荷物の中に、私は愛用の他の釣り竿と一緒に、すばらしい竹竿を二本入れておいた。一本は、フライ・フィッシングをたしなむ大統領への贈り物に、とトム・マックスウェルが特別にデザインし、H.L.レオナード [ママ] ・ロッド会社の職人たちが就業後の時間を割いて作製してくれたもので、その使い良さは抜群、特にライトタックル・フィッシングに好んで用いていた。もう一本の…… (中略) 。あの二本の釣り竿は、私の最も大切な所有物の一つであって、梱包してジョージアに送るために、キャンプ・デービッドの山荘からホワイト・ハウスまで最新の注意を払って運ばれてきたはずであった。ところが釣り道具用の木箱を開けてみると、それが消えていたのだ。後の調査で竿は盗まれたことが判明した。

という箇所のページの角を折りました (僕は本の気になった箇所の角を折るのです)。電子湾あたりにポロっと出品されたりして。
それにしても、この本は釣り本であるにもかかわらず、ものすごくチャンとした本です。それは例えば271ページの初出一覧を見ただけでも分かります。データはすべてキチっと整理され、所定の書式に従って書かれています。もちろん訳も日本語としても読みやすいし、釣り人的にも用語選びに違和感がありません。この杉山透という編者は何者なのでしょうか?