獣を喰らう

kechida2008-12-25

人並みに家族とクリスマスなんかを過ごしておりまして、今年の場合、一足早い21日に近所のふらんすなレストランに行ったりしてみました。このレストラン、はじめて行ったのは6年ほど前。妻の胎内に息子の命が宿ったことを知らないまま、妻の誕生祝い(1月生)で行ったのでした。これすごくうまいネ、なんてバクバク食いまくって、しかも生まれて初めて一本5桁もするワインなんかを飲んでいたりしたものでした。
先日、散歩の時にフラっとこのレストランに立ち寄って、子どもは何歳から大丈夫ですか?と店員さんに聞いてみたら、4歳以上でしたらお食事いただけます、とのことだったので、さっそく予約してきた次第です。けっきょくのところちゃんとしたテーブルマナーなどを伝授されていない息子を本格ふれんちに連れてきたのは失敗だったなぁと思いつつも、まぁそれはそれで楽しい夜で、お前がまだミジンコみたいだった頃、この店にきたことがあるんだよ、なんて説明したところで、そんなことを息子は知る由もなく、挙げ句食事の途中で完全に眠りについてしまったのでした。
メインの肉料理は牛と鹿から選べましたが、二人とも鹿にしました。われわれ夫婦はマイナーなもの、エキゾチックなものを好む傾向が強いのです。半生状態で食卓に饗されたこの血のしたたるような鹿のステーキ、おそらく野生そのもののような味がするのでしょうが、まぁ、そこは おふれんち、絶妙なソースで非常に食べやすく調理されていました。しかし、野生の肉を喰らったという強烈な存在感が翌日も残り(汚い話で恐縮ですが、便通にまで影響を及ぼします)、しかも、臭み消しのために使われただろうさまざまな香辛料などの臭いも残り、いやなんだかもうすごいもの喰っちゃったなぁみたいな感じがずっと続いていたのでした(ふぉあぐら なんかも喰らったし)
昔、目黒の瀟洒な住宅街に住んでいた頃、まだ結婚する前の妻とよく行った店があって、そこは店主がハンターで自分が獲ってきたものを食わせてくれるのでした。しばしば猟のため店はお休みになったりしていて(よく北海道へ行っていた)、一度は散弾が残るキジバトを食わされたことがあったりもしました(笑。村上龍が何かの小説で、雪の中で鹿を狩ったあと腹を割くと腹の中はお湯のように温かいと書いていて、実際そーなんですか?と聞いてみたら、そりゃもうなんて返事が返ってきたりしたものでした。どーでもいい昔話です。