Z30


重厚長大路線の山靴を買いはしたものの、やはり流行りの軽薄短小路線はソレはソレで格好良くて、普段は高くて手が出ないメーカーのバックパックがモデルチェンジか何かで大幅値引きで販売されていたのを目にしたなら、その情報は大脳を経ることなく直接せき髄へと伝えられ、「カートに入れる」ボタンをクリックしているのでした。
同じような容量とコンセプトのオスプレイのストラトス32を数年前に買ったばかりだったりして、妻は完全にあきれ顔(実際のところストラトス32はZ35に近い感じですが)オスプレイに大きな不満はなかったのですが、なんとなく気になっていたのがハーネスの形状と硬さ。どうもこれがしっくりこないのと、ヒップベルトが華奢で、目一杯荷物を詰め込むとやや頼りなく感じるのでした。で、グレゴリーのZ30。やはりハーネスは素晴らしい設計でした。ヒップベルトのクッションも必要にして十分というか、やや大げさな気がしなくもないですが、たぶんパックがずっしり重くなったときはその真価を発揮することでしょう。その他、ポケットなどの使い勝手の良さは申し分なし。
容量的には、ここのところずっとパタゴニアの容量12リットルのエンデュランス・パックを使っていて、これでどうにかなっていたので持て余し気味です。だからといって余分なモノを持って行って重くしたくもありません。だから、すでに2回ほど使いましたが持ち物にはほとんど変化がありません。谷を抜けるとき、チェストパックを仕舞うことができるし、7フィート5ピースの竿もすっぽり収納できるので非常に軽快です。これは本当に便利。
まぁ、実際にZ30を使ってみるとストラトス32の良さもあれこれ見えてきて、どちらもとても良いパックだなぁとひとりウットリしてしまいます。釣り道具と山道具に注ぐ愛は、なんとなく微妙に異なっていると思うのですが、例えば山道具の場合は飽きたから、あるいはちょっと使いづらいから転売してしまおう、という気にはなかなかなれず、一生つき合ってみたくなります。釣り道具の方が嗜好品度がより高いってことなのかもしれません。いっぽう山道具は本当に一心同体というか実用面での依存度が高いのかもしれません。