トニー・レオンあれこれ



昨日はホウ・シャオシェン監督の『非情城市』、今日はウォン・カーウァイ監督の『花様年華』を観ました。いずれも大好きな作品なのでBD/DVDで持ってます。両作品で主役を務めるトニー・レオンは本当に素晴らしく、『非情城市』では歴史というか政治に翻弄される主人公を瑞々しく演じています。天皇玉音放送から始まるこの映画は台湾の現代史を切実に描いており、それは日本からは分かりにくい戦後の世界史なのかもしれません。
数年前、『非情城市』の舞台となった九份という街を旅したことがあります。伊豆の温泉街や伊香保温泉みたいに急な斜面に建物がひしめき合っている不思議な街でした。映画の舞台となった建物は観光客向けのカフェのような店になっていました。台湾的にバカ高いお金を払ってビールをいただきました。台湾はまた行ってみたい国です。最近は羽田から松山空港まで飛んでいて、とてもアクセスがよくなっているようです。
一方、『花様年華』ではスタイリッシュでセクシーな役柄に徹していて、そのプロフェッショナルぶりには驚くばかりです。この映画を支える60年代の香港のミッド・センチュリー・モダンの調度はとにかくかっこ良い! そして、そこを舞台に演じられる大人の恋愛(笑)は切なくて切なくて胸が痛くなります。ナット・キング・コールの曲の使い方なんかも完璧です。
トニー・レオンは『レッドクリフ』のような娯楽作品でもそのキャラの立ちっぷりは見事で、大好きな俳優です。