番外編──フェングラスのためのリールたち

僕がフェンウィックにあわせているリールを紹介。フェングラス=米国的っていう超短絡的な発想から選ばれている。バスフライをはじめた当初はB社のリールを使っていたこともあったが、いつの間にやら競売にかけられ、今やこれらのリールに化けた。
毎度のことながら勢いで作っただけなので、検証ははっきりいって不十分である。詳しい方がいらしたら、ゼヒともご教示くださいませ。

左:6番用のScientific Anglers/3M System Two 67-LC 中:7/8番用のPflueger Medalist 1495DA 右:同じく7/8番用のScientfic Anglers System 8

Pflueger Medalist 1495DAのスプール中央の部品。現行品のAKはこういうところやハンドルが妙に安っぽく見える。「単なる懐古趣味だろぉが、このヴォケ」という批判は甘受します。

SYSTEM 8 プチ研究

SYSTEM 8は2台(スプールは3つ)持っている。System 8とはいってもご覧いただければ分かるとおり、要するにHardyMarquisである。実際、ロゴの反対側には筆記体で「Handcrafted in England by Hardy Bros Ltd.」と刻印されている。Marquisの#8/9というモデルがSystem 8に相当する。
今やHardyMarquisの方が通りが良いが、元々はアメリカの3M社の要請によりラインの番手とリールの大きさを対応させた(これがSystemの名前の由来に違いない)アウタースプールのリールとして開発されSystemの名で販売されていたものであり、アメリカ以外の国々ではHardyブランドからMarquisの名で販売されていたという。69年の発売以来アメリカではMarquisの名でこのリールが売られたことはなかったが、81年に3M社との契約が終了し、それ以降はアメリカでもHardyMarquisとして販売された。このあたりの経緯については「風雲西洋毛鉤釣師帳」の「西洋毛鉤釣資料館/HARDY FLY REEL」を参考にさせていただいた。詳しく知りたい方はどうぞご覧下さい。
さて、上記ページによるとMarquis (System) は72年に改良されているという。上の写真の右側がこの改良が施される前の初期モデル、左が改良後のモデルということなのだろう。もっとも大きな違いはラチェットが楕円形のプラスティック・リングから金属製のバネに変わった点である(下)。これにともない、ロゴとその配置が変わり、ビスが増えた(上)。スプール中央のカバーもプラスティックと金属で異なるが(中)、上記の「風雲西洋毛鉤釣師帳」によるとこのパーツは「機構上の改良により1981年に現在のものに変更した」とあるので、これは72年の改良とは関係ないかもしれない。個人的には初期モデルの甲高い小気味よい音の方が好みである。
写真を撮るのを忘れたが、ケースはHardy同様に青いものの形状は四角く、銀色のゴシック体で「SCIENTIFIC ANGLERS」とそっけなく印刷されているのみで、Hardyのようなロイヤルな雰囲気はない。