外来生物法の全貌

kechida2005-06-13

のど元過ぎればなんちゃらって感じですが、粛々と事態は進んでいます。以下のような流れのようです。残念ながら、バス釣りを止めないことが抵抗になりうるというような次元はすでに終わっているのではないかと私は悲観しています。

1. 「オオクチバスに係る防除の公示(案)」が示されました。

コクチバスブルーギルについても同内容」です。特筆すべきなのは「防除を行う区域」が「全国」とされていることです。「防除の目標」としては「生態系に係る被害の防止」が第一に挙げられ、「農林水産業に係る被害の防止」がその次とされています。しかしながら、これまでの報道を見る限り、生態系の保護と漁業資源の保護は混同されています。

2. 防除モデル地域が設定されました。

伊豆沼・内沼(宮城)、羽田沼(栃木)、片野鴨池(石川)、犬山市内ため池(愛知)、琵琶湖(滋賀)、藺牟田池(いむた、鹿児島)が防除モデル地域として設定されました。まず、この6地域においてオオクチバスなどの防除事業が積極的に実施されます。

3. 防除の指針が示されました。

防除モデル地域の設定と同時に、「完全排除又は低密度管理による被害の低減化」を目指し、防除の指針が示されました。モデル地域においてこれらの方法が実践されるわけです。以後、日本におけるバス駆除のスタンダードとなることでしょう。以下の方法が提案されています。

1)漁具による捕獲
2)繁殖抑制
すなわち、「産着卵回収装置(人工産卵床)による卵・仔魚の駆除、産卵床の破壊又は産卵適地の低減化」であり、「産卵床を守る親魚の捕獲を実施することが効果的です」と指摘されています。
3)水抜き・干し出し
そして、「個体数低減化手法の導入に際し、留意すべき事項」として「防除により捕獲したオオクチバス等の個体は、原則として殺処分すること」とはっきり言及されています。

もちろん、抜け目なくいろいろなエクスキューズが書き加えられています。興味のある方は、私のいい加減なエントリを鵜呑みにせず、ぜひ自身で各種資料を読み込んでみて下さい (PDFなのでイチイチ面倒くさいですが……)。ブックマークに関連情報をクリップしています (もちろんすべてではありませんが……)。実際に実施されるかどうかは分かりませんが、文章として残るということはある意味決定的なことです。