大竹伸朗「On Paper」展

kechida2005-07-27

京橋から茅場町に移転した画廊ベイスギャラリー大竹伸朗の「On Paper」展を見てきました。心臓をわしづかみにされるような衝撃を覚えました。実は、足を運んだのは非常に不純な動機からでした。昨年の「UK 77」展開催時に、当時は京橋にあった同画廊で販売されていた大竹氏がデザインした缶バッチが欲しかったのです*1。チェストパックにくっつけておくつもりでした。残念ながら、もう缶バッチは売っていませんでした。Tシャツは売ってましたが。なぜ、私は去年の展覧会で買わなかったのでしょう。しかし、それを補って余りある素晴らしい作品ばかりで、今年見た中では最高の展覧会でした。
もの凄い潜在的爆発力を秘めた作品が、壁じゅうにビッチリ並べられている様は圧巻です。ヤヴァい作品同士が共鳴しあい、会場はキュイーンとかグワァーンとかピキーッとかいうハウリング音でビリビリしてました。
リンク先にある通り、イタリアのファブリアーノ社製版画用紙「ロサスピーナ」に書いた作品ばかりを集めた展覧会です。紙の大きさは100×70cmです。どの作品もこの大きさに完璧におさまっています。この大きさでなければならない、という必然性をビンビン発しています。これは決定的なことだと思いました。音楽だったら演奏時間、映画だったら上映時間が絵画の画面の大きさに似ているかもしれません。要するに今回の大竹氏の作品たちは「長くも短くもない」のです。
けっこう売れ残ってました。ヴィンテージの竹竿を2〜4本買うくらいの値段なんですけどね。兜町という金融の街なので芸術に興味がある人が少ないのでしょうか。僕だったら、くだらない株よりは、大竹氏の作品に投資したいですね(w。単なる紙切れになるなんてことはないですから。いずれにせよ私には買えませんが。あと一回はジックリ見てみたいなぁと思うのでした。

*1:テレピン月日』だったと思いますが、大竹氏と缶バッチの濃密な関係が書かれていたと思います