創造的な批判を誘発する装置

kechida2005-11-14

フライの雑誌』のバックナンバーを買い進めていて、33号からほぼそろいました。なぜか48号が欠番です。どなたか奇特な方はいらっしゃらないでしょうか?
アレコレ楽しい号ばかりですが、私の個人的な好みを反映して、グラスロッドの特集 (46号)号、釣り本の特集号 (51号)、骨董リールの特集号 (50号) などから読み始めてます。それにしても、カブラー斎藤という人は最高に面白い人ですね。「じゃあお前は誰なんだ、何様のつもりなのかと一応自分でツッコミを入れておく。しかし身のほどをわきまえないのが私のポリシーだ」(51号、pp.18-19) と公言しているのだから小気味よいです。しかし、しばしば筆禍を招いているようで、50号では埼玉のプロショップからの抗議を連載末尾に明記せざるを得ない事態にも陥っています。フ雑社はクライアントをひとつ失ったに違いないことでしょう。一方で、創造的な批判というか対話を誘発しており、例えば51号の中里哲夫氏による「「スズキ」を「シーバス」と呼ぶのは正しいか?」なんて文章は、そのような反論のひとつです。これは、前号のカブラー斎藤氏の「よくスズキのことをカッコつけるつもりなのかシーバスと言うやつが多いが、わしゃ絶対認めんよ」(50号、p.88) という発言が引き起こした論考であるわけですが、このような充実した反論を招くことは、氏の人徳に他ならないでしょう。読者欄などの反響を見ても氏の人気ぶりは明らかです。私も知ったかぶりして絡んでみたわけですが、今となっては恥ずかしい限り (汗。
それにしてもウズラの話には腹を抱えて笑いました。70号を数える同誌の歴史の中でも5本の指に入る楽しいエピソードのひとつではないでしょうか? (といっても32号以前は知らないのです) おそらく私より2〜3歳年上でないかと想像されるのですが、web限定企画の第9回「アイちゃんとか言ってんじゃねーよ!」の次のような一文に僕は激しく反応してしまいます。

韓国のスポーツ選手で言えばパク・チソンはすごい。男だけど。何しろマンUですよ、マンUニューオーダーもびっくりだ。

ニューオーダーについては駄文を前に書きましたが、おそらく同じような音楽を聴きながら青年時代を送ったのではないかと想像されます。50号の88頁にはパラパラ踊りについて書かれた文章もあります。妙に同時代意識を感じてしまいました。たぶんツバキハウスとかそんなところの話だったのではないかと思います。デッド・オア・アライブとかバナナラマとかそんなのが流行していた頃の話です。
◇写真は本文とまったく関係ありません。あえてあるとすれば、コイツもまたスズキの仲間だってことでしょうか。