今日買った本

kechida2005-12-20

京橋へ行く用事があったので、足を伸ばして八重洲ブックセンターに。
本を2冊買いました。まずは『奥多摩・大菩薩・高尾の谷123ルート―全踏査!ルート図収録。完全保存版』。これは沢登らーのための奥多摩の渓谷ガイドで、当然釣り人的な視点で谷を見ていません。しかし、

入渓して初めての滝らしい滝なので、ちょっぴりうれしくなる。水流の右壁にシュリンゲつきの残置ハーケンが2つもあったので簡単に直登できたが、ザイルを使えばもっと安心だろう。巻き道は左岸についている。

なんて情報は役立つといえば役立つでしょう。

この山道はヤブがかぶっているが、右岸沿いにのびている。林道終点まで車で入った釣り人が利用していく道のようだ。

これは沢登らーにとっては単なるノイズでも、釣り人的には気になったりします。この本を読めば川の概略は分かるし、奥多摩地域全体の様子が分かるので便利です。「ビギナーは入渓を控えた方がいいだろう」なんていう釣り場案内によくある漠然とした記述よりは、あぁ、ここにF4 (20m) の滝があるのかぁ、ってことが分かるのも便利な気がします。
次は『イワナとヤマメ (平凡社ライブラリー)』。今西錦司という人は知っていました。不勉強なので本は読んだことがありませんが、サル学の権威であり、日本が世界に誇れる知性であることは知っていました。西欧的な適者生存といったダーウィン的進化論ではなくて、東洋的な自然選択によらない進化論を提唱した人だそうです。回りくどい話ですが、現・文化庁長官の河合隼雄って人はユング派の心理学者で、この人のお兄さんが河合雅雄って人です。京大の霊長類研究所の所長を務めたりしたこともある今西錦司の弟子筋の人です。いずれにせよ今西錦司が渓流釣りや登山を楽しむ人だとは知りませんでした。棲み分けなんていう生物学上の概念は水棲昆虫の研究を通じて得られたものであるようです。無知とは恐ろしいものです。
その今西錦司が1950〜60年代にかけて書いたイワナとヤマメに関する文章を集めた本なワケです。不勉強な私は現在のイワナやヤマメの分類をめぐる定説をよく知らないので、遡ってこのあたりから勉強しようと思った次第です。
残りの人生はだいぶ短くなってきましたが、楽しそうなことは山ほどあるようです。