偏頭痛のための11のダンス療法


近所の飲み屋でかかっていて即購入。素晴らしいです。以下はCDの裏面に印刷されている文章です。
In this legendary album recorded back in 1977. Crammed founder Marc Hollander and Vincent Kenis playfully deconstruct and fuse many different genres to create a unique musical vision. With its elements of jazz, electronics, fake African, Balkan & minimal music, this album can retrospectively be viewed as a blueprint for most of the music which was released by Crammed during the next two decades.

偏頭痛のための11のダンス療法

偏頭痛のための11のダンス療法

トニー・レオンあれこれ



昨日はホウ・シャオシェン監督の『非情城市』、今日はウォン・カーウァイ監督の『花様年華』を観ました。いずれも大好きな作品なのでBD/DVDで持ってます。両作品で主役を務めるトニー・レオンは本当に素晴らしく、『非情城市』では歴史というか政治に翻弄される主人公を瑞々しく演じています。天皇玉音放送から始まるこの映画は台湾の現代史を切実に描いており、それは日本からは分かりにくい戦後の世界史なのかもしれません。
数年前、『非情城市』の舞台となった九份という街を旅したことがあります。伊豆の温泉街や伊香保温泉みたいに急な斜面に建物がひしめき合っている不思議な街でした。映画の舞台となった建物は観光客向けのカフェのような店になっていました。台湾的にバカ高いお金を払ってビールをいただきました。台湾はまた行ってみたい国です。最近は羽田から松山空港まで飛んでいて、とてもアクセスがよくなっているようです。
一方、『花様年華』ではスタイリッシュでセクシーな役柄に徹していて、そのプロフェッショナルぶりには驚くばかりです。この映画を支える60年代の香港のミッド・センチュリー・モダンの調度はとにかくかっこ良い! そして、そこを舞台に演じられる大人の恋愛(笑)は切なくて切なくて胸が痛くなります。ナット・キング・コールの曲の使い方なんかも完璧です。
トニー・レオンは『レッドクリフ』のような娯楽作品でもそのキャラの立ちっぷりは見事で、大好きな俳優です。

桐島、部活をやめるってよ


録画してあった『桐島、部活をやめるってよ』を観ました。『あまちゃん』のユイこと橋本愛が出演しているので録画しました。すっかりファンです。余談ながら同じく『あまちゃん』に出演していた松岡茉優や、『ごちそうさん』の通天閣こと東出昌大も出演しています。
何の予備知識もなしに観たのですがけっこう野心的な映画でした。前半部はいわゆるグランドホテル形式で描かれています。すなわち同一時刻の同一場所で起きている出来事を視点を変えて描写する手法です。同じエピソードが繰り返されることによって観客はその事実に気付きます。何度か繰り返して見ていると、別の物語を形成する人物が後景に映っていたりしてけっこう凝った複雑な作りとなっています。2時間ほど非現実の体験を楽しもうと思う観客にとって、このオマケはちょっと素敵なプレゼントとなっています。僕的にはジャームッシュの『ミステリー・トレイン』がこの形式を使った映画としては強く印象に残っています。
それから題になっている「桐島くん」はこの映画に全く登場しません。桐島くんが部活をやめたという事実、およびその不在が物語を推進する微妙な出発点となっています。蓮實重彦なら説話論的磁場とか負の陥没点とか言ったかもしれません。そんな大げさなものではないかもしれませんが。
橋本愛は相変わらず超可愛かったですが、ちょっと嫌なヤツだったので少しがっかりです。

Marvin Gaye/I Want You


そんな質問を私にする人はまずいないと思いますが、マーヴィン・ゲイの一番好きなアルバムは?と聞かれたなら迷わず I WANT YOU だと答えます(さらに聞かれてもいないのに二番目に好きなアルバムとして Live at the London Palladium を挙げる事でしょう)
マーヴィン・ゲイWhat's Going on で人類愛的なヴィジョンを示し、モータウンのヒット曲量産システムから一歩突き抜けて歌手からアーティストとなったわけですが、その後のアルバムはどれもとてもパーソナルなテーマを歌っているように思えます映画のサウンドトラックですら私にはそう聞こえます)
人類愛とはいささかかけ離れた、アーティストの頭の中のお花畑というか妄想というか性愛のファンタスマゴリアをそのまま曲にしたような I WANT YOU は、どの曲も多重録音で自分の歌声にコーラスやナレーションやらを重ねて(さらに女性の喘ぎ声も)、上にも下にも右にも左にも、もちろん真ん中にもマーヴィン・ゲイが偏在しています。「私が音楽に求めるのは悲しいリフレインだけだ」みたいなことをマーヴィン・ゲイは言ったそうですが、ここで示されているのは妄執というか偏執狂的な世界ではありますが、悲しいリフレインではありません。救いも出口もありませんが、けっして悲しいリフレインではありません。
このアルバムでは数曲のインストゥルメントと間つなぎの小品が収録されていますが、その潔さが素晴らしく本当に素敵なアルバムとなっています(“I wanna be where you are”なんてたった数十秒で終わらせるのがもったいない名曲です)

I WANT YOU

I WANT YOU

Live at the London Palladium

Live at the London Palladium

What's Going on

What's Going on

Trouble Man

Trouble Man

潮騒のメモリー

三連休の中日、息子と廻る寿司屋で晩ごはんを食べ、その後、カラオケ屋で一時間ほど絶唱しました。「残酷な天使のテーゼ」とか「哀 戦士」とか「潮騒のメモリー」とか「地元へ帰ろう」とか……。世代を超えて人々を結びつけることができるのが、音楽や物語の力に他なりません。
潮騒のメモリー」はCDを買いました。残念ながら天野晴子小泉今日子ヴァージョンとアキ(能年 玲奈)とユイ橋本愛潮騒のメモリーズ・ヴァージョンしか収録されておらず、鈴鹿ひろ美薬師丸ひろ子バージョンは入っていませんでした。太巻デモヴァージョンより、鈴鹿ヴァージョンのリリースを熱望します。いや、マジで。

あまちゃん 歌のアルバム

あまちゃん 歌のアルバム

相対性理論/やくしまるえつこ

http://www.youtube.com/watch?v=bbNaKIgpGGA:MOVIE
やくしまるえつこの名を初めて目にしたのはこのアルバムだったと思います。カヒミ・カリィみたいな人だな…とそのときは思いました。以来、特段注目していませんでした。
で、今年の6月くらいのこと。近所の飲み屋であまちゃんの話から大伴良英の話になりました。店主のイェバッちが大伴良英と言えば、やくしまるえつこのアルバム出たんだよなぁ、まだ買ってないなぁとつぶやきました(後に知った事ですが二人はしばしばコラボしています)。このとき完全にやくしまるえつこの名が僕にインプットされました。帰宅後さっそくAmazonで最新作だと思われる『RADIO ONSEN EUTOPIA』を購入。ギター・ポップ風というかスウェディッシュ風の音と不思議な歌声ですっかり好きになりました。
次にその店に行った時、やくしまるえつこがかかっていたので、これ、やくしまるえつこでしょ、オレも買っちゃったよ、すごくいいねと言うと、へ〜、ならこれ聴いたことある?と差し出されたのが、相対性理論の『ハイファイ新書』と『TOWN AGE』でした。貸してもらったら、これがまたカッコいい! ニューウェーブ風味のゆるいディスコビートにゆるゆるの歌詞が乗る「テレ東」なんて最高です。そしてやくしまるえつこの声は聴けば聴くほどクセになります。
rei harakamiといい、やくしまるえつこといい、友人達との関わりがなければ聴くことはなかったかもしれません。いろいろな人と関わり世界が広がるのはよいことです。

RADIO ONSEN EUTOPIA

RADIO ONSEN EUTOPIA

ハイファイ新書

ハイファイ新書

TOWN AGE

TOWN AGE