Positive Stop

kechida2006-05-18

2002年に発行された『FlyRodders』誌9月号 (第2巻第5号通巻9号) には「ジム・グリーンが語る現代ロッド・ビルディング」という文章が4ページにわたって収録されています。

ホラ吹きにならないようにするが、私はどんなロッドでもキャストができる。みんなが投げにくいというスローアクションのロッドでも、私はロッドティップを上手に曲げ込み、ロッド自体をよりよいアクションにすることができるのだ。私がすべてのロッドをキャストできる理由は、フライキャスティングの理論をしっかり理解しているからである。この理論の軸となる動作は、キャスト中におこなう“ポジティブストップ”である。これは、ロッドを急停止させてティップをはね返らせる動作のことで、私が命名したものだ。

経験に裏打ちされた、屈託のない言明であり、読むものを素直に肯かせてしまう力強さがあります。Positive Stopをキーワードに検索してみたら、「けんぱぱの電脳掲示板」というサイトの以下の文章がヒットしてきました。
「8-4. 海外の文献から:THE POSITIVE STOP──積極的なロッドの停止」
この文章中でも触れられていますが、ジム・グリーンにはFly Casting──From the Beginningという著書があります。日本語訳もされていて、ティムコから発売されています。奥付を見るとSevenstrand Tackle Mfg. Co.となっていますが、表紙には例のロゴマークとともにA FENWICK (R) PUBLICATIONと印刷されています。Sevenstrand社とFenwick社の関係についてはコチラをどうぞ (まったくの余談ですが、日本にはよつあみ社がありますね)。
ちなみに、このジム・グリーンの文章が収録された「どのようにキャストするの?」というコーナーの「8. 海外の文献から」には、スティーヴ・レイジェフやレフティ・クレーの文章なんかも収録されています。興味のある方はどうぞ。ダブルホールのアニメーションなんかも最高です。ラインの重みがグッと竿に乗るあの感触が甦ってきます。
私のフライキャスティングなんてめちゃめちゃな自己流で、他人に見せられるようなシロモノではありませんが、そんな私でもフライキャスティングには尽きせぬ魅力を感じます。もっと飛ばせるんじゃないか!とか、もっと上手にプレゼンテーションできるんじゃないか!なんて思ってしまいます。気持ち良く決まったキャストは脳内に消しがたい快楽を刻み込み、もう一度同じ快楽を、あるいはもっと強い快楽を求めてしまうのです。死ぬまで直らないビョーキです。